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地域的課題の解決による市民活動の活性化

　私たちの法人は、地域の問題を解決するなかで市民活動を活性化することをミッションとして20年ほど活動してきました。当初、元気のなかったかみね公園については、市民によるかみね動物園の活性化のためのワークショップの開催と日立市への提言や、かみね公園の花壇作りのボランティア「花友」を作りました。また、耕作放棄の回避については日立市内の限界地域における市民によるりんご作りの支援や全国では珍しいNPOによる市民農園の開設（現在の「ふれあい貸し農園とまと倶楽部」）など、市民による公益形成の試みを行ってきました。

市民活動のためのプラットフォーム

　このミッションのもと、私たちは行政、企業、大学などと協働し、市民活動のためのプラットフォームを作り上げるために試行錯誤を繰り返してきました。たとえば、耕作放棄の回避のための市民によるりんご作りの支援については国土交通省の競争的補助金を得て、日立市や常磐大学教員、カスミさんなどとプラットフォームを作り、学生や市民がリンゴ作りを行い、その販売をすることを行ってきました。同様に市民が花植えボランティアを行えるようにと、日立市と協働してきました。その結果、この花壇が茨城県知事賞・国土交通大臣賞を受賞するまでになりました。

生活支援事業としての学習支援

　2014年からは会員の発案により生活困窮者のための学習支援いわゆる「無料塾」を運営しています。現在では、県内で8教室を運営し、小学校1年生から高校3年生までの子どもたちに対して「学習を通じた居場所づくり」というビジョンのもと活動しています。私たちと行政や大学サークルなどとプラットフォームを形成し、このうえで市民がボランティア講師として活躍しています。おかげさまで、高校生の塾生も今年は千葉大学や日本大学、アール医療専門職大学などに合格するなど、うれしいことが実現しました。

子ども主体の学習のためのフリ－スクール

　学習支援活動において、塾生のなかにも相当数の不登校者がいました。彼らの学習権を保障するために私たちはフリースクールをつくることにしました。常磐大学や茨城キリスト教大学、茨城大学工学部の教職員、学生の有志や市民、行政、企業とともに、1年間の準備期間を通じてプラットフォームを作り、2022年9月にフリ－スクール「ひたち未来アカデミア」を開校しました。県北においては、初の本格的な学びの民間フリースクールです。

支えていたつもりが支えられる関係

　私たちは孤立しがちな現代社会においてこのような活動をしてきましたが、いつしか支えていたつもりが支えられる関係ができあがっていました。NPOによる公益活動はこのような相互に支え合う人間関係による共同体を作っているのではないかと思います。今後も、県北地域を中心にこのような公益活動のための自発的・自主的組織による地域の共同体づくりのための活動を存続させていきたいと考えています。